トヨタスポーツ800
ある日、友人KEN☆KUNが車を買ったとのことで、わざわざ我が家にまで来てくれました。
聞きなれない、古い空冷ツインのバイクのような音と共にやってきたソイツを見て、私は驚愕しました。
「マジでコレ?」
そこにいたのはコイツです。
すげぇ〜!博物館ものっすよ!マジで!
ついでにリアビューです。
通称ヨタ8。はっきり言って動いてるところを見たのは初めてです。つーかエンジンかかってるところですら見たことないです。私が憧れ続けた理想の車の一つが今、目の前でエンジンかかって停車してます。もう、イキそう。叫んでましたね、私は。
このお披露目の日は、お互い時間が無かった為「週末に試乗会でもしよう」ということでその場はお開きとなりました。
その日私は夜勤だったんですが、もう仕事にならんかったっす。早く週末になれ、と祈る(叫ぶ)だけでしたね。
そして週末です。待ち遠しくて気が狂いそうでしたね。
さて、試乗開始の前に私に用事があったのと、このヨタ8は前期型のため1・2速間にシンクロが無くダブルクラッチでつなぐ必要があり、しかも事前に
「シンクロ壊れてるからギアチェンジの全てでダブルクラッチが必要だよ」
との暖かいお言葉を頂いていたので、始めは屋根に頭をぶつけながら助手席に乗りKEN☆KUNの運転で出発です。
とにかくまず始めに驚くのは、その車高の低さです。シートに座ると地面に座ってるかと思うほどです。んで、驚異的なまでに車内が狭いです。
で、次に振動。エンジンがゆさゆさ揺れる感覚がそのまま車内に入ってくる感じで好きな人間にはたまらないものがあります。
では出発進行!
あ、そういや言い忘れてましたが、コイツにはエアコン・オーディオのような快適装備は当然で、ダッシュボード・ヘッドレスト・シートベルトといったものすらついてません。
走り出して思うのが、意外にトルク感があり普通に走ることです。ツインエンジンなので余計トルク感が際立つのでしょうか。ま、当然遅いですが。
乗り心地は、リアのショックが板ばねでしかも機能してるんだかしてないんだかわからないような足なので地面のショックを拾いまくりです。まあ、リジットサスってこんなんなのかな?と想像を膨らますことはできます。道路状況がダイレクトにわかるぜ、と気取ってみるのもいいかも知れません。
信号待ちで回りの人間の注目浴びまくりなのと、走行中ボンネットがガタガタ揺れるのは蛇足としておきましょう。
で、用事も済みいよいよ私の出番。ただ、ダブルクラッチは慣れが必要とのことなので、私の勤める会社の駐車場で練習することとします。
しかしここでトラブル発生。練習を始め間も無い時、急にエンジンストール。やべ、壊したか!?と思いましたが、すったもんだの末結局ガス欠と判明。どうやら燃料計が死んでたらしいです。そういやストールの仕方がキャブのチョークを引くとエンジンがかかるという、バイクでおなじみのガス欠の仕方だったなぁ。
あまり関係ないですがヨタ8は有鉛ガソリン仕様なので、給油の際に添加剤を入れる必要があります。
ちなみにヨタ8に限らず、旧車はボンネットがこんな風に開きます。
やっぱボンネットは前に向かって開かなきゃ。
その後我が家に戻ってダベって、ガス欠でうやむやになった試乗会を再開。
その時、屋根を外しオープン状態にしてみました。ヨタ8は国産車初(というか世界初だっけ?)のタルガトップでもあるのです。
ついでに運転席側も
全然関係無いですが、今回は写真たくさん使ってます。なんたってヨタ8ですから。
で、乗った感じは、これは前も言いましたが全然普通に走れます。キャブなんでエンジン始動とかには気を使いますが、それもバイクと同じだと思えば「こんなもんか」って感じです。アクセルを踏みこんでも息継ぎをしないし(壊れそうなので全開にはしてないですが)、ダブルクラッチも慣れれば普通に乗れます。振動等は相変わらずですが。
シフトの感覚がまた感動モノで、列車のポイント切り替えというかゲーセンのDX版のリッジレーサーのシフトみたいなフィーリングなんですが、コクン、コクンと入りとっても楽しいです。
ただ、私にはコクピットが狭い。シートは当然のように固定されている為、リクライニングできず(どうやらサビで固着しているようだ)後ろに下がることも出来ないので、ひざがハンドルに当たってしまいます。
あと、絶望的なまでにブレーキが効かないです。前後ともドラムブレーキの為グっと踏みこめば効いてきますが、現代の車の感覚で踏むと確実に事故ります。
まああとは、ルームミラーが部品が無く元の場所(なんと本当はインパネに乗っかってるのだ)に付かなかったためフロントガラスに吸盤でくっついてるとか、そもそも振動で見えないとか、左のフェンダーミラーがどうしても視線に合わないとか色々ありますが、細かいことは気にしちゃいけません。
旧車に乗ると現代の車では薄れてしまった、「車を運転している」という感覚をたっぷりと味わえます。確かに各部は遊びでガタガタだし、壊れるし手間も金もかかるかも知れません。しかし、コンピューターにデザインされた現代の車では出しえない、デザイナーを意思をそのまま反映した姿は、ある種のオーラを放って皆さんを魅了することでしょう。
蛇足:
ナンバーはお約束ってことで…。
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