ガイアックス


色々ちまたで噂のガイアックス。良い噂悪い噂両方あるが、有害な排ガスを撒き散らしている旧車乗りとしては、そのクリーンな排ガスとアルコール系燃料であるがゆえのカーボン除去能力に非常に魅力を感じる。そのうえ安くて(軽油並みの値段)ハイオク並みのオクタン価があると聞けば、使っとくしかない。
しかしこれが普通の車だったらなんの躊躇もなく使ってるのだが、うちのヨタは有鉛仕様という大きな壁が立ちはだかってる。
そう、バルブリテーナーという添加剤が混ざらないことにはどうしようもないのだ。関係ないが、ガススタでガソリン入れた後に添加剤を入れる行為は、何かの儀式のようでとても好きだったりする。店員の視線が痛いけど。
いきなりガイアックスを入れてもよかったのだが、もし添加剤が混ざらなかったらバルブシートやその一帯が割れてしまい、エンジンがオシャカになってしまう可能性があるので、事前に実験がしたかった。
ガイアックスを売っているスタンドに行って「この容器にガイアックス1g入れて下さい」と言う勇気は私には無かったので、友人でガイアックスを入れている人を探したら、二名ほど見つかった。
今回はそのうちの一人、高槻しのぶさんに協力してもらって、添加実験の開始となった。

協力者、高槻しのぶさんと愛車のファンカーゴ。



このファンカーゴのガソリンタンクからガイアックスを吸い出して容器に移し、添加剤を混ぜるという簡単な実験。
で、今回用意したもの。



左からペットボトル、耐油ホース、添加剤の順。サイホンの原理で吸い出そうというわけだ。
本当はちゃんとしたガソリン容器とポンプを用意するつもりだったのだが、絵的にはこの方が面白いだろうというアホな考えによりこうなった。
これが後で後悔する原因になるとは…。
さっそく準備にとりかかる。




知らない人が見たら丸っきりガソリン泥棒にしか見えないが、細かいことは気にしないことにする。
さて、いざ吸わんと思ったとき、フといやなことが頭をよぎったが、意を決して吸い込んでみる。
「チュー(吸い込む音)」
「げはぁ!!」
皆さんご存知の通り、車はガソリンを直接燃やすのではなく気化したガスを燃やすのだが、通常ガソリンは空気に触れると勝手に気化していく。
これが普通の場所だったら回りに拡散して「ガソリン臭いなぁ」で済むのだが、今回はガソリンタンクの中である。タンクの中には気化したガスの逃げ場はない。よって気化したガスが思いっきり充満してるわけだ。
そこにホースを差し込んだから、可燃性のガスを思いっきり吸い込むことになるのだ。
このまぬけな事態の一部始終を見ていた友人KRS氏の話だと、どうやら口の周りに可燃性ガスによる陽炎ができていた模様(後日、中々特撮しててカッコよかったよと、お褒めの言葉をいただいた)。たばこを吸ったら、煙のかわりに火を吹きそうだ。
それでも根性で吸い出そうとするが、どうもうまくいかない。どうやら燃料までホースが届いていないようだ。
なんでだろうなぁ、とホースをぐりぐりやってたところに高槻しのぶさんのダンナ(整備士やってる)が登場。ダンナ曰く「届かんかも知れんよ」。
どうやらファンカーゴのガソリンタンクはガソリン盗難防止の為、パイプの途中についたてのようなものが付けてあって、直接ポンプやホースが入らないようになっているのだそうだ。


しかし、こんな苦しい思いをしているのに一滴も採取できないのは悔しいので、意地になってホースをつっこんで吸い出す。
で、こんなけ採取できた。



底の方にちょびっとしかないが、これでも死ぬ思い(マジ)で吸い出したので勘弁してほしい(何が?)。
で、いよいよ本日のメインイベントである添加剤を混ぜる実験を開始(これまでにかなり大騒ぎしてたが)。



…。ヤな感じがする。不安を吹き飛ばすかのようにKRSがペットボトルを振る。
さらに太陽に透かしてみる。



画像ではわからないが、まるで田んぼの中にある蛙の卵のような感じになってる。
混ざらねぇ。
何度も振ってみるがやはりだめっぽい。試しに他の添加剤を入れてみたが、そいつは混ざっているようだ。なんてこったい。こっちはガイアックス臭いゲップが出るほどがんばったのに。

今回の実験はこれでおしまい?いやいや、今回はガイアックスの量が少なくて添加剤が飽和状態になってたのかも知れんし、そもそもこの添加剤はガソリンに混ぜても同じ状態になるかも知れんし。
というわけで次回はもっと大量にガイアックスを用意して、リベンジをする予定。
え?悪あがき?


その後別ルートでガイアックスを入手し、実験再開。
そして現在(2001年8月上旬)、ガイアックスを使用して3ヶ月近く立つが、まったく問題なし。
ガイアックスはいろいろ叩かれてるようだが、個人的には圧力に屈っせず、がんばってもらいたい。



徒然なるままにヨタ8
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