赤っ恥ドレンボルト修復(ごまかし)記

ある寒い日、あまりにもヨタが汚かったので洗車することにした。ついでにバイクのメンテナンスをしようと思い、チェーンや各ワイヤー部のグリスアップを実施。
そしてSDRのオイル交換をしようとしたその時、悲劇は起こった。
とりあえず古いオイルを抜いてドレンボルトをねじ込む。このときオイルで滑りがよくなっていたのだろう。いつまで回してもトルクがかからず、締まっている感じがない。
そろそろ締まってもいいはずなんだけどな?とか思ったその時、
「ポキッ」
「きゃ〜!」(心の叫び)
やっちまった。メンテにおけるもっとも恥ずかしい失敗の一つ「締めすぎによるボルトの破損」だ。

とにかく、こいつを何とかしないことにはどうにもならん。
SDR(TZR125RRも)のドレンボルトは一般的なエンジン底部にボルトが一本というパターンではなく、クラッチカバーを止めているボルトがそのままオイルパンまで突き抜けているような感じになっている。

手に持ってるボルトの先にネジが切ってある。本当はこの写真より2cmほど長かったが、ねじ切ってしまったのでその分短くなってる。
さて、こいつをどうしよう?という問題をKEN☆KUNと相談したところ、
1、クラッチカバーをはずしてボルトエキストラクターで折れ込んだボルトを抜き取る。
2、見えている部分に新しくネジ山を切ってやって、まったく別のボルトをつける。
3、ナッターで新しくネジ山を作ってやって(以下略)。
この案の中で1は、まず私がボルトエキストラクター(ようするに、折れたボルトを抜き取る工具)を持っていないのと(根性があれば電動ドリルと細長い四角の金属棒でなんとかなるが)、ドレンボルトがオイルパンを突き抜けた先で止まっていたということは、最悪クランクケース分解というヘビーな作業が待っているので却下。
2は、穴に直接ネジ山を切ることになるので失敗は許されないが、一番見た目がスマート。
当初は2の案でいこうと思ったが、KEN☆KUNに「絵的に面白いアイディアってない?(またこのパターンか)」と相談したら、それならこれだとこの案が浮上した。
これなら失敗してもなんとか元通りにできるし、そもそもこんなアホなことやるヤツなんかいない。
というわけで3の案に決定。

さて、週末になったところで作業開始。
その前にドレンボルトは低い位置にある為作業がしづらい。そこで、最新の力学理論に基づきポリタンクを配備して、バイクを寝かして作業をすることにする。

後ろから見た図。

ブラインドナッターを入れる前に、ドレンボルト回りを脱脂します。この際、穴の中にも容赦なくじゃばじゃばとクリーナーを吹きかける。
この作業をしておかないとせっかく入れたナッターが、油分で滑って抜けてしまう可能性があるので、しっかり脱脂しておく。

ちなみにブラインドナッターがどういうものか知らない人の為に一応写真を掲載しておく。

左がかしめる前で、右がかしめた後。ま、ホッチキスの芯の使用前・使用後みたいなもの。
この筒の中にネジ山が切ってあって、筒が縦につぶされることで横に広がり、穴に圧着される仕組み。
で、見にくいかも知れないが、こんな感じで穴に入れる。

今回はKEN☆KUN所有のハンドナッターリベッターにて作業。
頭の部分にナッターをセットしてグリップを握れば完了。簡単だ。

こんな感じになる。


さてこれでネジ穴はOKだが、せっかくこんなアホなことをやったんで、ここはひとつボルトにもこだわりたい。
そこで今回用意したのがこれ。

ローゼットワッシャーとステンレスの皿ネジ。これなら面積も確保できるし、何よりエレガント。

うむ、エレガント。

さてこうして完成したわけだが今回思ったことは、二度とボルトを折るまいということだ。
皆さんも気をつけよう。身も心も寒くなること請合いだぞ。





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