モトコンポ改造計画

 今、一般的なモトコンポの改造には二つのパターンがある。ライブDio等のエンジンに乗せ換えるパワーアップ系とカウルの広大な平面を利用りたドレスアップ系だ。モトコンポにパワーを求めている人は、自力で改造してくれ。今回は後者だ、数年まえ実際に塗り替えたモトコンポをレポートしよう。

 1st:犠牲者の入手

まずは予算を決める。2000年現在かなりマニアの乱獲に遇って常時品薄状態。8〜12万円が目安だがエンジンの状態はどれもほとんど変わらない。地元の情報誌で探そう。ここでアドバイス、最終的に白くするから白が一番手が掛からないと思うかもしれないが、ステッカーをはがすと必ず跡が残る。完璧に仕上げる気なら「手に入るヤツ」が一番おすすめ。今アッパーカウルがメーカー在庫切れになってるので破損には注意してくれ。
登録その他の諸経費が2万円かかるので、その分予算に余裕を持とう。10万そこそこでのローンはかなり勇気が要るゾ。

2nd:街頭ストリップショーの開演

いきなりカウルを外す。もったいないと思う人は今のうちにもう1台買って保存用にしよう。写真を撮っておくだけでもかなり罪悪感は薄れるはずだ。
カウルを外すときサイドモールがなかなか外れないが、ポリス仕様にするならべし折ってもかまわない(どうせ押し入れにしまって二度と出てこないから……)。アンダーカウルは塗装の練習用にとっておこう、必ず役に立つ。
次にタイヤを外す。先に後輪を外したほうが楽だ。ロックナットにメガネレンチを掛けて後ブレーキレバーを握りつつハンマーでレンチを引っ叩く。どうしても回らないときは、浸透液(CRC―556等)を吹いて今日はここまで。外れた人はホイールの穴を布テープで塞いでおく、ここに塗料が入ると面倒だ。ついでにブレーキドラムの掃除もしておこう、ディスクブレーキと違いめったにチェックしないから。シューはそんなには減ってないはずだ、30km/hしか出ないから。
次に前輪を外すのだが、何か下駄になるものを探そう。レンガでも角材でもいい、無ければ雑誌でも積んどけ。前サスだが原付のお約束で片方はダミーだ、故障と思ったのなら君は仲間だ。こっちのブレーキも掃除しておこう。
塗装するのは最低でもアッパーカウル・テールカウル・前後ホイール。あとはサビやキズの状態によって好きに塗ってくれ。

3rd:下準備は念入りに

はだかのモトコンポはそのまま保管。その前に掃除くらいはしてやろう、よく見るとクモの巣が張っていたり、エンジンオイルにタンポポの綿帽子が付いていたり蚊が化石化してたりと結構物悲しい。
アッパーカウルに「MOTOCOMPO」のロゴが二枚と「↑UP」のステッカーがはってある。はがせ
はがすと文字の跡がクッキリ残っている。ゲーセンのモニターに残ってたゼビウスのタイトル画面を思い出す君、同じ世代の仲間だ
ここからが塗装作業だ。ステッカーの跡を消すのと塗料の足付けのため全体を#100くらいのペーパーでこする。一応当て木をしたほうがいいのだがサイドモールのエッジにさえ気をつければ問題無い。テールカウルも同じになるようにする。
キズがある場合、小さなキズならタミヤのプラパテで埋める。わりと深いキズならセメダインの「ハイクイック」で埋める。こいつは本来エポキシ系接着剤なのだがチューブ入りで二剤等量で計りやすいのと、硬化後は適度な硬さなのが便利、硬化も速い。
下地作り。サーフェイサーを吹くのだが、SOFT99などの自動車用を使うと純正塗装がケロイド化してしまう。アンダーカウルで実験してみよう、これには私も泣かされた。少々高く付くがプラモデル用を使うのがベスト。まあ、何を使うにしてもアンダーカウルで相性を確かめておくことだ。実際に吹く前にウエスで粉を拭いておこう。粉まみれでスプレーするとまるで雨上がりのクモの巣のようになって感動の涙を流すことになる。
お金持ちな人はタミヤの白サフを使ってるだろうが、全体がグレーになっていることを前提に作業を進める。#100にサーフェイサーを吹いて擦り傷だらけのグレーまでたどり着いた。次は一番面倒な#400での研磨。下地が出るまで磨くのだが、余分に穴を掘って埋め戻すという、まるで刑務所のような作業だ。
またサーフェイサーを吹く。今度のは本当の下地になるのでそのつもりで。
全体を#800〜#1200で水磨ぎする。このときのツヤが仕上がりのツヤの一番いいところと同じツヤになる。仕上がりは下地よりも劣ることを肝に命じてツヤツヤにする。もしも下地が出ちまったら、そこいら辺だけサフ吹いて磨く。全体が均一なグレーになるようにする。まだらだと仕上げもまだらになる。
カウルの下地は、ここまでだ。次はホイールの下準備。とりあえず洗っとこう。よく見ると溶接のスパッタがちらほらあるからタガネではつっておこう。
タイヤの空気を少し残して抜く。するとホイールとタイヤにすきまが出来る。その隙間にマスキングテープ(薄いプラ板が便利)を差し込んでから、タイヤ全体を新聞等でマスキング。
サーフェイサーを吹く。ホイールは鉄だから、SOFT99のプラサフが使える。
塗装後だが、走らせるのならピカピカにしなくてもいい。砂や小石ですぐキズキズになるからあまりツヤにこだわらない方が作業が気持ち良く進む。ツヤツヤのピカピカが好きな人は、マスキングが剥がれないように磨いてくれ。

4th:この先は違法改造か?

ここまででカウルが2枚とホイールが2個、下地完了。サーフェイサーのグレー一色で軍艦みたいだ。アンダーカウルを赤くして「宇宙船艦ヤマト」を気取るのも面白い(他人事だからな)。
白をスプレーする。アンダーカウルに今回使ったサーフェイサーが吹かれているハズだ。相性チェックのため、そこに使用予定の白を吹いてみよう。ケロイドにならなければ合格だ。
気泡に注意しつつただ無心に白を吹く。塗膜は下地の状態によって考えるが、厚ぼったいと下品に見える。
完全に乾燥するまで最低でも一週間は放置する。その間、雨・猫・ほこり・酔ったときの勢い作業等に注意しよう。
乾燥したら#1200の耐水ペーパーでカウルは水磨ぎホイールは空磨ぎする。エッジは塗膜が薄いから注意。下地が顔を出したらそこだけ白吹いてまた乾燥。
ペーパーの切り粉を掃除した後、塗膜の保護のためクリアーを吹く。これも一週間は乾燥させよう。
また#1200のペーパーのお世話になる。磨いていて切り粉が白くなったら、そこにクリアーの塗膜は残ってないから、そうならない様に注意して磨く。もしそうなったら……見なかったことにする
「POLICE」のロゴステッカーを貼る。東急ハンズで一文字50円くらいだったと思う。
塗装はこれで完成。

5th:組み付け

ばらしたときと逆の手順、といってもアンダーカウルは不要だ。
カウルのラバーワッシャーはハンズのゴム製品コーナーで購入、本当に便利な店だ。

6th:パトライトの取り付け

パトライト。これがなかなか売ってない。近所のホームセンターかデコトラ系のお店に注文するのがベスト。「株式会社 佐々木電機製作所」のパトライトシリーズ、型番は「SKFM−101」。12Vと24Vがあるがモトコンポは6Vなのでどっちでも問題無い(どっちでも問題)。12000円くらいだったと思う。
センターカウルっていうか「フタ」だな。フタにそのままパトライトを乗せてみる。キーホールが当たるので下駄を探す。4_×32_の鋼材を発見したので120_で2本切り出す。それを両面テープでフタに貼る。これでパトライトは乗っかった。次は電機工事だ。
シガーソケットが付いてるが使い物にならないので切る。コードの長さだが「パトライトからカプラー・カプラーからスイッチ・スイッチからバッテリー・カプラーからバッテリー」の「パトからカプラー」分をのこして切断。
ここでパトライトをバッテリーに直結してみる。ボヤ〜っとしたライトとウニ〜っと重たそうに回るモーターに頭痛を覚える。モーターとバルブを6V用に変更しよう。
名古屋の大須商店街。まあ秋葉原がしょぼくなったような街だ。ジャンクパーツで6Vモーターを購入。なければラジコンから転用できるかも?6Vハロゲン電球をそこいらへんで購入。ついでにスイッチも見つけておく。家に戻って作業再開だ。
モーターは運良く納まったが、プーリーが上手くいかない。モーターシャフトが細いっていうか位置が低いんだ。シャフトに在り物のギアを打ち込むとしっくり納まった。電球だが、あからさまに細い。ソケットにはまる太さで電気が通ればいいんだからと思いアルミパイプを二段重ねでビス留めする。多分問題無く稼動するだろうとバッテリーを繋ぐ。気持ち良くクルクル回る真っ赤なライト。完璧
ライトの構造が完成したところで本体に組み付ける。イベント用ならこれだけでも十分だがちゃんと点灯する様にしないと気がすまない。
スイッチの位置を考える。家の場合、プロト1・プロト2はチョークレバー周辺にプッシュボタンを付けていた。この場合スイッチがあまり大きい(高い)とハンドルをたたんだ時に勝手にONされるのと、雨水ですぐにショート等で壊れる。2000年バージョンでは右ハンドルにバイク用のスイッチを付けている、まるでキルスイッチのようだ。
スイッチが付いたらそこからパトライトまで電線を一本引っ張って、先端にカプラーを付ける。そしてもう一本、こんどはバッテリーの−極に繋ぐ。次にバッテリーの+極から先ほどのカプラーに電線を引っ張る。
こんどはパトライトに電線にカプラーを付ける。
カプラー同士を繋いでスイッチON!気持ち良くパトライトが回るはずだ。

END:作業終了


これで「モトコンポ逮捕仕様」は完成した。KEN☆KUNからのレポートでした。





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