合体!JOGコンポ発進せよ!メカ移植編

文:KEN☆KUN

[エンジン移植事始め]

「スクーターのエンジンの移植なんてモンはフレームにエンジン繋げて配線引っ張ればいいんだろ?」とモトコのフレームを無改造で済ませようなどとサッカリンよりも甘い事を考えちょりました。

[フロント周りの移植]

大体こんなんだろうとエンジンとフレームを並べてみる。しかし車高が決まらないと何かと都合が悪いのでフロントホイール&三つ又(ハンドルステム)の移植から始めることにする。
JOGの三つ又のステムナットがロックナットで締めてある。これを緩める工具「ピンスパナ」をなぜか庭先で発掘した。今の住家の前の住人が電気工事屋だったと聞いているから仕事で使うこともあったんだろうと自分に言い聞かせる。しかし前の住人も同じこと考えてたとしたら……かなりイヤ!!
バラしてみると中からバラバラとショットガンが転がり落ちるってベアリングだぁw('o')w。スクーターごときにローラーベアリングが使われてるとは思ってなかったけど組むときはかなり泣きだろうなぁ(涙)

移植する行き先になるモトコの三つ又も外す。ステムナットの上にハンドルブロックを固定してるナットがあるのだが、何だこのデカいナットは?32mmですと?手持ち最大のが24mmだからいかに巨大で登場回数が少なくてソケット買っても今後使うかどうか分からないかが伺える。しかし諦めて近所のホームセンターで購入。専門店じゃなくても売ってるってところを見ると巷ではそこそこ使うのかな?
買ってきたソケットの差し込みは1/2インチで手持ちの工具は3/8インチで揃えてあるから凸1/2凹3/8のアダプターを使ってぐぐ〜っと回す!回す!!回す!!!回らない!!!!
締め付けトルク何kgmなんだ?モトコンポのカタログデータの最大トルクってこのナットのことなんじゃねぇのか?と文句を言っても仕方ないからラチェットハンドルの末端をモンキーレンチのハンドルの穴に通してテコを延ばしてからぐぐ〜〜っと回す。頭脳の勝利ってヤツだ。ストレートで買ったヤツだがなかなか頑丈なラチェットハンドルでした。
ラチェット壊すんで良い子はマネしないように

ハンドルブロックとステムナットを外すとやっぱりショットガンが出てきた。
ハンドルステムは長さは違うがネジは同じだったのでJOGのステムを切り詰めて使用することにする。
エンジンとフロントホイールを外したモトコは自力で立ってられない(って当然だ!!)からエンジンの代わりにTESIのメンテナンススタンド、ホイールの代わりにパンタジャッキを噛ませて安置しておこう。
ハンドルステムの切り詰めは第二作業所(一般的には「職場」と言うそうだ)でやることにする。
ステムシャフトはパイプで出来ているから内径ピッタリの丸棒を通して心出しをする。両端ベアリング支持だから少しでも曲がるとハンドルが回らなくなるかもしれないから必死だ。しかし手頃なのが売ってない!!最終的に使えたのは水道の蛇口管だった。ステムシャフトをディスクサンダーで斜めに切断する。この方が溶接の長さが稼げるのと長さ調節がしやすいからだ。

溶接するときはステムのネジを痛めないようにガムテで保護しておく。
余分なビードやら何やらを余ったステムシャフトやらを切って削ってハイ一丁上がり。
これをモトコに組み付ける。
ベアリングのインナーレースにモリブデングリスを塗ってベアリング玉をぺたぺたと……うわ〜イヤになる〜o(>_<)o

上側も同じノリでやって組み付けた。
目測でハンドルとタイヤが真っ直ぐになるように固定して苦労して緩めた32mmナットを苦労して締め込む。

スクーターはフロントサスがステムトップまで来てないからハンドルが空転するかもしれないが、締め付けトルクが大きいことだし摩擦だけでも固定されるだろう(^_^;)とモトコンポの改造で最も厄介な作業をスッ飛ばしてしまった。

[エンジンハンガーを作ってみる]

フロントに合わせて車体が水平になるようにジャッキをかける。なにげにメガネレンチを合わせてみると長さがピッタリだ!!やった♪クロモリバナジウムのエンジンハンガーが完成だ!!は、置いといて。
JOGのエンジンハンガーの内側から真っ直ぐ延ばすとキャブに当たるから少し幅を小さくして鉄板で作ろう。
知り合いから高速切断機を借りれたからばっさばっさと材料を切り出す。
エンジンハンガーシャフトをノギスで測ると?17mm。丁度いいホルソーが売ってて助かった。鉄板に大穴を明けるのはホルソーに限る。ドリルより安全だし卓上ボール盤でもかなりの大きさまで明けれるのが嬉しい。

エンジンハンガーは鉄のフラットバーと水道管でハシゴのように作るが、踏み板になる水道管を溶接するときの「ねじれ」や「縮み」を防止するために全ネジボルトとナットで固定してから溶接する。
水道管は亜鉛メッキがしてあるからバーナーで焼いてメッキを飛ばし溶接の溶け込みを確実にするため開先(かいさき=母材の溶接面を斜めに削っておくこと)を付けておく。
ジリジリと溶接しながら時々平行度を確認。バッチシ平行、溶け込みも十分だろう。

補強パイプに多少ズレがあったらしく位置決めボルトのネジ山分パイプが引っ掛かる。ボール盤でさらっておこう。
とりあえず溶接は終了
切りっ放しの角を丸く削って完成。
地面に残る鉄粉が休日に無断侵入した上に職場の電気と溶接を私用転用したことを物語っている。デッキブラシで証拠を湮滅することは忘れなかった。

[エンジンを繋げてみよう]

今回作ったエンジンハンガーはオフセットなしのフラットバーだったからキャブのインシュレーターパイプに干渉してしまった。
仕方ないので一ヶ所曲げを作って上に逃がしてみた。う〜ん超ロングホイールベース!!AKIRAの山形バイクみたいでカッコイイq(^o^)p
しかしリアサスが心配になってきて必要な長さを測ってみると60cm?取り付け角度20°?ダメだ。そんなリアサス売ってない。

エンジンハンガーをエンジンに固定、リアサスピポットを車体後端に新造して真ん中一本サスにすることも考えたが、モトコンポのスタイルから大きく外れてしまうのとガソリンタンクを外してないからこのまま溶接するのは旅客機でビルに突っ込むのと同じくらい危ないと判断して断念。とりあえず市販で一番長い原付用リアサスを買ってきた。JOGの1.3倍、モトコの2倍くらいはある。

断腸の思いでこのエンジンハンガーはボツにしてリアサスに合わせて作り直すことにしよう(涙)

[リアサスを繋いでみると]

タイヤの中心線に気を付けて本体にエンジンを近付けてみるとリアサスのアッパー側が丁度一本分外にずれるようだ。本来リアサスは凹の中に納まるのだが外にずらして固定。M10の細目の高張力ボルトを要求してくるがホームセンターには売ってなかった。M8ボルトで仮止めしながら位置決めをする。
モトコのステップの間にあるハンガーがシリンダーヘッドに干渉するようだから身を切る思いで切断した。あぁこれでモトコは元のモトコには戻れない(舌噛みそう)
今度は強制空冷用のシュラウドがステップに当たる。とりあえず外してみると中から冷却用のシロッコファンが出てきた。
無難そうな位置が決まったところで左側を見るとキャブが奇跡的な場所から出て来てた。こいつは靴から効率良く砂を落としてくれそうだ。
奇跡的にフレームから回避してる
エンジンシュラウドを外して位置決めをしていたが夏の暑さに耐えれるか心配になってきた。シュラウドを付けるためにはフレームをぐぐ〜っと広げなくては!!
フレームを転がしてパンタジャッキを使ってで広がるかな?って簡単に広がってしまった。
モトコのフレーム剛性っていったい……(^_^;)
フレーム切っちゃったけどモトコはこの「フレームナンバーの打刻」さえあれば公道を走ることができるから大丈夫☆残りは「モトコンポを構成する部品」にすぎないのだ。例えるならパセリって感じかな?
光ってる部分さえ生きてればOK
フレームを広げ過ぎるとステップが上を向いてしまうからある程度広げた辺りでやめて後でシュラウドの方を切り抜いてはめ込むことにしよう。
これで完璧な位置決めが出来たはず!!エンジンハンガーを作り直そう(^_^;)

[エンジンハンガーを作り直して…]

はい出来た。さすがに2回目だから気合いの入れ方が違うぜ。フラットバーは切りっ放し、溶接もそこそこの深さしかない。また作り直すかもしれないから気合いが全然入ってない(笑)。作り方は同じようなもんなので省略する。
エンジンハンガーとリアサスが両方とも繋がればOKだよな?と弱気になりながらもボルトやらシャフトやらを通してみるとバッチシ繋がったq(^o^)p
しかしドコがポン付けなんだ?ってポン付けなのは縦エンジンのJOGであってこの横エンジンのはマニアもイヤがる修羅の道なのだそうだ(^_^;)
作り直したエンジンハンガーは失敗作の半分の長さになっていた。


[エンジン以外も丸移植]

エンジンが固定されたところで他の部品の移植を始める。この辺りの作業は目に見えて成果が分かるから心理的に楽しい。

[憧れのディスクブレーキ]

JOGの右側のスロットル&スイッチ類とブレーキマスターを外す。
マスターシリンダーとブレーキキャリパーがホースで繋がっている(って繋がってなかったらかなり怖い)がフェンダーの穴を通してあって素直に外せない。本来ならキャリパーを分解して外すのが正しいのだがJOGを生き返らせるつもりはないのでフェンダーの方を分解(破壊?)して外した。ハンドルパイプの径は同じなのでそのままモトコに組み付ける。
スイッチを外したところに位置決め用の穴が明いている。
見えるかな?
当然スイッチの方にもダボがあるのだが……カットオフ!!アルミダイキャストだったからリューターでサクサク削れる。
JOGの近代的なミラーが気に入らないから外す。ヤマハの右側のミラーは左ネジになっているのを知らずにねじ切るところだった。ヤバイヤバイ(^_^;)


[ありきたりなドラムブレーキ]

左側はブレーキレバーとスイッチが一体になっているが…ブレーキワイヤー長っ!!
左側のグリップってどうやって付いてるんだろう?まずは「摩擦ではまってる説」を考えて隙間に「水溶性摩擦係数低下剤(=石鹸水)」を流し込んだが抜けない(;_;)
それなら接着剤か?とマイナスドライバーでガジガシやってみると簡単に外れた。モトコも同じノリ(糊?)で付いていた。
右側のブレーキレバーに合わせて位置決めするとハンドルパイプが短いらしく端の方がグニャッといってしまった。何か詰物でもしておこうかな?

ハンドル周りはこんなもんだろう。局所的に見れば近代車に見えるかな?

組み忘れてたシュラウドを組み付ける。これくらい切り取れば……ちゃんとくっ付きましたq(^o^)p






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