KEN☆KUNによるローリングサンダー製作レポート。


ちょっと贅沢なローリングサンダー




握力強化グッズに「ローリングサンダー」と呼ばれる物があります。
本家はアイアンマインド社のローリングサンダー・デッドリフトハンドルですが、握力器具というとハンドグリップだったり鉄の塊だったり鉄パイプを切っただけだったりして単純な構造の物が多いのですが、ローリングサンダーはシンプルだけど機械としての構造を持つ少数派です。
ちなみにRB JAPANからもローリングハンドルという名で販売しています。
ローリングハンドル〜Rolling Handle〜【RB JAPAN.COM】ローリングハンドル

ゆえに、本物はお値段もそれなりになるので、例によって粗悪なコピー商品を作りたいと思います。
しかし、せっかく作るのだからちょっと贅沢な物を作りました。
思いつく限りの贅沢
見よ!黄金に輝く美しいボディー!芳醇な香り、深い味わい、絶妙な炭酸の加減(後半はサンダーとは無関係)


【企画部門】

そもそもローリングサンダーとはハンドルを握ってウエイトを挙げると重さに負けてウエイトが真下に行き、手が真上にくるから指で引っ掛けられない器具とされています。
ゆえに部品は
@太いハンドル
Aウエイトを吊る金具
B上記の2つを回転しながらつなぐシャフト
の3つで構成されます。
画にすると
ある意味完成品

【鉄物バンザイ】

今回は工事現場の足場の50ミリのパイプを切りまくって作ります。一番安い鉄パイプなんです。
しかし、同じ太さのパイプでは中に通してつなぐなんてコトはできないので、一周り細くしなくてはいけません。
直径を縮めるために外周を少し切り取って力技で丸める作戦なのですが、直径を内径まで縮めるには
外径  D   5cm
外周 πD   3.14×5cm=15.7cm
内径 (D-2t)  5-2×0.2=4.6cm
内周 π(D-2t) 3.14×(5-2×0.2)=14.4cm

概算でも1cm以上切り出さなくてはいけません(正確にはパイプの厚さの2倍のπ倍)
しかも、この数字通りだとパイプにはまり込んでしまい動かないことも考えられるし、手板金の加工精度を考慮して多めに切り取ります。
外周の2割くらい切り取りました
あとはハンマリングである程度丸めておいて力技で溶接します。
万力で縮めCクランプで整形して溶接で固定
両サイドに付くプレートホルダーは鉄の棒を曲げて、短く切ったパイプに溶接して作りました。
あとは回転するシャフトに吊り金具を固定すればおおむね完成ですが、溶接すると分解整備ができなくなると思い、ネジ止めにしました。
惜しむべき今回唯一の目分量作業
錆止めも考えて缶スプレーで豪快に塗ります。
激安ラッカースプレー。手には塗料が付かないように靴下を着用
これで鉄物の方は完成です。


【別企画が進行中】

せっかく切断機やら溶接機やらを持ち出したんだからプレートホルダーも作ります。
売ってるプレートホルダーはこんなのです。
プレートホルダー〜Plate Holder〜【RB JAPAN.COM】

あり物の鉄パイプと鉄板にアイボルトを溶接してみました。
あっと言う間に完成
友人のあーちゃんから提供してもらった角パイプを使ってブロックバスターも作ってみました。
角パイプにアイボルトをねじ込んで完成
RB JAPANからもピンチブロックという商品名でブラックオールクロームの2種類を販売しています。
ブラックピンチブロック〜Pinch grip block〜【RB JAPAN.COM】 オールクロームピンチブロック〜Pinch grip block polished and full chromium plated〜【RB JAPAN.COM】


【ちょっと贅沢な極太ハンドル】

回転するハンドルを作らなくてはいけないのですが、大きな問題が発覚しました。
今回使っている足場パイプはシーム管と呼ばれるもので、内側に溶接痕が残っているのです。
できるだけ回転を滑らかにしたいので、ヤスリで削ってみたいと思います。
削りのローテク、金ヤスリ
この地道な作業が明日の握力を育てると思って、高い志をもって削ります。





……


………


…………


やめぃ!
志で握力が強くなるかぃ!そんな暇があったら1秒でも長くハンドグリップを握ってろ!
削りのハイテク、エアリューター
金ヤスリの最も苦手とする奥まった平面研削に時間をかけると無限に時間がなくなってしまうので、機械で一気に片付けます。
手作業の100万倍は速い(当社比)
今回はパイプをアルミ缶に石膏で固め込むつもりなので、パイプの外周に切り欠きを付けて回転止めにします。
外周全体に縦横の傷を付けておきます
缶も上下をパイプが通るくらい切り取っておきます
様々な損害(流出事故とか硬化不良とか)を出しながらも石膏を流し込みました。
はた迷惑な石膏の海
石膏は硬化すると膨張して外周のアルミ缶に対しては隙間なく固まるけど、内側のパイプに対しては離れていく可能性があるので油断できません。
そして、石膏が少々流出してしまったので隙間があったりします。
そこで、上下のパイプの端を樹脂で固めて隙間埋めと回り止めにします。
昔使って余ったエポキシ樹脂
樹脂が固まったらハンドルも完成です。


【あとは組み立てるだけ】

部品が揃ったので組み立てます。
回転部分にはCRCをたっぷり吹き付けておきます。
目分量で回り止めのネジ穴を明けたから組み合わせが決まっています。
本当は完璧な位置決めでネジ穴を明けたかったのですが、溶接が終わってから思いついたので仕方がありません。


【完成です】

こうして「ちょっと贅沢なローリングサンダー」が完成しました。
20kgで試してみました
確かに今までとは違う負荷が手にかかるようです。
しかし、手持ちのウエイトだけでは軽いのかも?
COC#3をクラッシュするには最低でも60kgは挙げたいと言われているので、ウエイトを大幅に買い足さなくてはいけないようです。
まぁウエイトは買い足す時期にきているので、少しずつ増やしていくとしましょう。


【最後に】

もっと簡単に作ろうと思えばできるのかもしれませんが、せっかく趣味で作るのなら思いっきり造り込みたいですよね。
真似して作ってくれる人がいたら嬉しいです。






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