KEN☆KUNによるピンチマシーン製作レポート。
理想的なピンチマシーンを求めて
【あなたは間違っている!】
今回はピンチマシーンを作ってみました。
こんなヤツです
RBピンチグリップマシン〜RB Pinch grip machine〜
10,500円
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今まで作ったヤツは「本物は高いから」とか「空き缶が面白いかも?」などと不純な動機が見え隠れしていたのですが、今回は違う!
市販のピンチマシーンの問題点を見つけたから「改良版を作ってみたい」という高い志の下に製作してみました。
【本当に間違っているのか?】
今回、最も気になった問題点が「挟む幅」。
市販のピンチマシーンは
HIDEDAS
の記事を参考にしています
コレくらいまで挟めるそうです。
が、自作すると
物理的限界キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
残り8mm(Lアングルの厚さ4mmが2枚分)まで挟むことができます。
次に気になるのが「足」
「あんなものは飾りです」とか言われる足だが、やっぱ欲しいだろ!
足が無いと手が入らん!
左右の安全性を考えても絶対必要です。
さらに、「スタートポジションの幅」
市販品は「だいたいCOCと同じ幅」とされていますが、自作すると
完璧に一致します
痒いところに手が届く設計です。
【実際に作ってみる】
今回は産業革命以前の機械くらいの構造物なので、図面をしっかり書きました。
ちゃんと書いてあるんだ!信じてくれ!
ただし、写真には写らないようです(涙)
材料を並べてみると、右手から
2台分の材料になります
25mm 角パイプ(980mm)3本
25mm 丸パイプ(980mm)1本
25mm×5mm 帯板(980mm)1本
40mm Lアングル(980mm)1本
13mm 丸パイプ少々
写真には無いけど
13mmパイプの抜け落ち防止に8mmの長ボルトと袋ナット4個
コレを切り出して
あっと言う間に
長い物は2等分、短い物は4等分で切ります。
可動側の曲がった部分は
便利機能
斜め切りで切り出します。
後は溶接で繋ぎます。
支点用の柱は25mm帯板を65mmに切った物を2枚重ねて溶接し、25mmに切った物をスペーサーとして溶接しました。
今にして思えば必要以上に分厚いかも?
【魅惑の現合ワールド】
工業の世界で「現物合わせ」と言う言葉があります。略して現合。
寸法をあらかじめ決めないで現場で物を合わせて決める場当たり的な方法ですが、定規では測れない細かい寸法まで取れるので、最も正確とも言えます。
今回、可動部分の位置決めは図面ではできませんでしたので現合で行きます。
可動側の穴あけは
加工後の写真ですが
セットポジションで固定側に着地する位置にします。
支点の位置は
天気が悪いので暗いですが
フィニッシュでLアングル同士がぴったり合う位置にします。
位置決めができたら溶接で固定です。
Cクランプとバイスグリップで仮止め
ガッチリ固定しながら溶接します。
【コレも現合】
ピンチマシーンはシーソーのような構造なので、ウエイトに対するピンチ力はレバー比で変化します。
今回はレバー比1:1でウエイトの重量=ピンチ力にします。
ベースライン社の油圧式握力計
の最大130kg
同社のピンチ力計
の最大が42.5kgなのを参考にすると、人類の限界が42.5kgだと推測。
今の真の握力が50kg程度だと考えるとピンチ力は15kgが限界だと考えて決めました。
写真に写っている10ってのは、重量じゃなく管理番号です
ウエイトを乗せて吊り合いポイントを探します。
理科で習った通り、支点からの距離がそのまま吊り合いポイントだったのは少し残念。
そこにウエイトを乗せるシャフト(25mm丸パイプ、180mm)を溶接します。
完成です
【コレはきつい】
最初の写真と同じですが
10kgをピンチしてみたが、疲れもあって最後の1cmが厳しい!
ハンドグリップのように荷重が増えていくわけじゃなく、一定の負荷がじわ〜っと来るのが新鮮です。
ピンチブロックのようなアイソメトリックな負荷も良いのですが、動きのあるトレーニングは楽しいですよね。
製作時期が厳冬期で塗装ができないから鉄の切りっぱなしで終わりです。
鉄が枯れてきたらPOR-15で塗ってあげたいと思います。
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